■ ネフさん・その2

aquio2006-12-15

今朝、「スイス・ネフ」社から
「ネフ」さんの訃報を知らせる手紙が届く。
添えられていたカードには
「KURT NAEF 1926-2006」と印刷されていた。
「クルト・ネフ」さん、八十年の生涯であった。
決して順風満帆の人生ではなかった。
リタイアされた後、
ネフ社」は経営危機に陥ったこともあった・・・。
しかし今、
その「ネフ」社の経営は安定していると聞く。
安心して旅立たれたのではないか、と思う。
十年前、「ネフ」さんの車に乗せていただき、
アルザス地方を旅した時のことを思い出す。
あれはどこだったろうか・・・。
山頂のレストランでワインを楽しんだ後、
「あの谷の向こうの村で私は生まれたんだよ」と、
谷間の向こうを懐かしそうに指差された時のことを思い出す。
「ネフ」さんの定宿であった
ラインフェルデンの「EDEN」にご一緒させていただいた時のことを思い出す。
素晴らしいホテルだった。
昔、ラインフェルデンには「ネフ」さんの店があった。
店の名前は「PLAY ON」。
「さぁ、遊ぼうぜ!」というような意味なのだろう。
まるで高級ブティックのような店だった。
その店の包装紙は今も大事に保管している。
店の前にはマロニエの巨木が植わっていた。
そのマロニエの枯葉も大事に保管している。
「ネフ」さんとの楽しかった旅の記念。
「クルト・ネフ」さん。
一代の経営者であり、一代のデザイナーであった・・・。