■ First gear,it’s all right

aquio2007-01-04

「相談に乗って欲しいことがあるねん」、
とTさんがアトリエに入ってこられる。
傍には一人の中年の男性が佇んでいらっしゃった。
「D社のKさんです」、と紹介される。
「この積み木を見てどう思う?」
「ちっとも売れへんねん・・・」
「どうやったら売れるやろか?」、というご相談。
Kさんがデザインされた積み木であるという。
素晴らしいデザインの積み木。
まったく新しい概念の積み木ではあったが、
問題がまったく無いワケではない・・・。
遊びの現場に関わる人間として、いくつか意見を述べさせていただく。
積み木は「遊びの道具」である。
遊びは遊びであり、
おもちゃはおもちゃであるべきなのだが、
どこかしらこの積み木には「教育」の臭いが漂っている・・・。
おもちゃは「教材」ではないのである。
また、木のおもちゃの生産性はとても悪い。
生産性が悪いから、どうしても価格は高いものになってしまう。
「ドイツで生産すればどうか!?」
「日本が駄目ならヨーロッパで売ったらどうか!?」
「ドイツのメーカーを紹介しましょうか?」、とKさんに持ちかける。
二月二日からドイツに出かけなければならない。
ニュールンベルクで開催される世界最大の「spielwaren messe」、
つまり、「おもちゃメッセ」の見学が主な目的なのだが、
会場で、この積み木を生産してくれそうなメーカーを探してみることを約束する。
さて、正月らしい穏やかな日々も過ぎ去った。
今日からギアを一速に入れる。
昔、「ビーチボーイズ」が「LITTLE HONDA」という歌をヒットさせたことがあった。
歌の出だしは「First gear,it's all right」であった。
歌は「Second gear,I lean right」「Third gear,hang on tight」と続く。
今年も一年がこの歌のリズムのように快調であってくれれば、と願う・・・。