■ 先送り
ある会社の会議に出席する。
いわゆる「第三セクター」方式で運営されている会社。
この会社は設立されてから十二年になる。
数年連続で黒字を計上したこともあったが、
現在は赤字を垂れ流し続けている・・・。
「どう経営を改善するか!?」、
それが今日の会議の議題だったが、
赤字の原因は現場にあるのではなく、
根本的な問題は、「行政の先送り体質」にあった。
過去において、
現場からは幾度も抜本的な改革の指摘がなされてきたにもかかわらず、
決定権を持つ行政、そして議会は動こうとはしてこなかった・・・。
問題は常に先送りされてきた・・・。
それが大きな問題であることを知りながら、
当の行政も議会も頬被りを決めこんできたのだ。
会社を設立したのは一般の私企業ではない。
会社を設立したのは行政と議会であるにもかかわらず、
当の行政と議会はその責任を擦り付けあってきた・・・。
現場の苦悩は放ったらかしにされてきた。
「形式だけの役員会には意味がない」
「今抱えている問題を今解決しなければ会社に明日はない」
「近日中に臨時の役員会を再度開く」
「具体的、かつ有効な方針をその席上で打ち出す」、ということで会議は終了したが、
さてどうなることやら・・・、である。
しかし、居並ぶ役員の方々からは、
「具体的な方針が決まれば予算を組む」、という言質はとった。
「First gear、it's all right」である。
今日の天気のように、雲間から一条の光が見える・・・。