■ プリマ・ドンナ

aquio2007-01-14

妻と母がアパートに来ている。
年が明けたというに、相も変わらず声がでかい。
声の大きさをたしなめるため、
「貴女たちは道を間違えましたね」
声楽家になっていれば大成したと思います」
「今からでも遅くはない!」
「声楽の勉強でも始めたら?」、と提案する。
しかし、彼女たちにその皮肉は通じなかった。
提案は大失敗であったと後悔する羽目に陥る。
マリア・カラスのようになったらどうしよう?」とか、
「私は世紀のプリマ・ドンナよ!」とか、
まるで意味をなさない会話が延々と続く・・・。
しかも、相も変わらず声がでかい・・・。
「誰がマリア・カラスやねん!?」
「山のカラスの間違いとちゃうの?」
「演歌界の新星・山のカラスさんのご登場です!」
「歌っていただくのは、皆様ご存知、『七つの子』」
「さ、山のカラスさん、それでは張り切ってまいりましょう、とかさぁ・・・」
「それに何?黙って聞いていれば言いたい放題!」
「誰がプリマ・ドンナやねん?」
「プリマ・ハムの間違いとちゃうのん?」
ボンレス・ハムのような体形の人が何を言うてんねん!」、
とついつい言ってしまったから、さぁ大変。
「親に向かってそんな酷いことを言う子どもに育てた憶えはない」とか、
「私のどこがハムなのよ?」とか、
「私はカラスほど色は黒くありません」とか、
猛烈な逆襲にあってしまった・・・。
ヨーロッパの諺に、「棺桶に入っても女の口は動いている」というのがある。
女は口から生まれ、最後に口が死ぬのでありますね。
女二人対男一人ではとても勝ち目がない。
今朝も早々と職場に出勤するのであった・・・。