■ お受験・その2
昨日の日記を書きながら、
長男のDとの遣り取りを思い出していた。
Dが東京のある美大の入試に受かった時のこと。
私「東京に行ったらアルバイトする?」
D「しません!」
私「なぜ?」
D「僕は絵の勉強のために東京に行きます」
「絵を描かずにはいられないのです」
「とてもアルバイトをしている時間はありません」
「アルバイトする時間があれば、絵を描きます」
「学費と生活費をよろしくお願いします」
私「・・・・・・・」
返す言葉が見つからなかった・・・。
四年が経とうとする時、Dから一本の電話が入った。
D「もう一年だけ大学に通わせてください」
私「その理由は?」
「親子の間柄とはいえ、電話では無礼ではないか」
「帰ってきて私を説得してみろ」
久しぶりに息子の顔を見てみたい。
それが帰省を促した大きな理由だったのだが、
彼が私に述べた理由は充分に納得のいく内容であった。
息子に説得されてしまった・・・。
D「学校を卒業したら、お金の無心は一切しません」
私「・・・・・・・」
Dが美大を卒業して九年が経つ。
九年の間、彼はただの一度も金の無心をしてこない。
Dには久しく会っていない。
次回上京の折には、酒を酌み交わしてみよう。
どんな顔つきの男になったのか、とても楽しみである。
私も息子には甘いのだ・・・。