■ 丹波篠山
丹波篠山に出かける。
ある会議に出席したのだが、
気がかりな事があり、
会議にはほとんど集中できなかった。
その件につき連絡があるはずなのだが、
いつまで経っても連絡がない・・・。
「篠山における会議は一時から四時頃まで」
「その間、携帯の電源は切っている」、
とは伝えておいたのだが・・・。
思い起こせば、
問題が拗れるような兆候は何度かあった。
しかし、ま、大丈夫であろう、と高を括っていたのだが、
とうとう問題が一気に表面化してしまった・・・。
馴染みの食堂に出かけ、オバチャンに鯖を焼いてもらうが、
まるで味を感じない・・・。
国道沿いの喫茶店で連絡を待つが、
時間の経つのがいやに遅く感じられる。
新聞を手に取っても、文字を眼で追うだけ。
少しも内容が頭に入らない・・・。
事と次第に依っては、東京に向かわなければならない。
店内には「勝手にしやがれ」のポスターが貼られていた。
ポスターの中で、
「ジーン・セバーグ」と「ジャン・ポール・ベルモンド」が口づけを交わしている。
「あの頃のセバーグは綺麗だったよなぁ」、と思い出している時、
携帯の呼び出し音がけたたましく鳴る。
呼び出し音のボリュームを目一杯に上げていたことを忘れていた。
待ち望んでいた連絡であった。
「問題は深刻であった」
「しかし、解決の目途はついた」、という連絡。
「よかったぁ・・」、と身体中から力が抜ける・・・。
しかし、「問題の解決には更にもう少し時間がかかる」、と言う。
時間はいくらかかってもいい。
解決さえすれば、それでいい・・・。
しかし、もう二度とこのような思いはしたくないものである。