■ 暇つぶし

aquio2007-03-28

桜の花びらの塩漬けを白湯に浮かべて飲む。
春を飲んでいると、
M社のMさんとおっしゃる方から電話が入る。
ご用件を伺えば、
個人投資家向けの商品を紹介したい、と仰る。
会議までにはまだ少し時間がある。
「話だけでも聞いて欲しい」、と仰るので、
話だけでも伺うことにする。
M「現在、金の価格が乱高下しています」
 「金の売買のお手伝いをさせていただきたい」
 「上手く資産を運用すれば、大きく儲かります」
私「金って、そんなに儲かるの?」
M「はい、そりゃぁもう」
私「でも、君って変わってるね」
M「変わってるって、何がですか・・・?」
私「そんなに儲かるのなら、自分の資産を運用して儲ければいいじゃない?」
 「なんで見ず知らずの私に儲け話を教えてくれるの?」
M「・・・・」
そんな遣り取りが続いた後、
M「どうですか、ここはひとつ私を信じてはもらえませんかねぇ・・・?」
私「OK、分かった」
 「それでは君の言葉を信じてみよう」
M「有り難うございます」
私「その代わり、君も私を信じてくれなければ、困る」
M「そりゃぁもう・・・」
私「それじゃぁ、私を信じて五千万円ほど貸してくれ」
 「その五千万円を君の言うとおりに動かしてみよう」
 「で、儲かった金は君と折半ということにしよう」
 「大儲けできるぜ」
 「どうよ、このアイデアは?」
言ったとたん、ガチャッと電話は切られてしまった。
儲け話を持ちかけてやったのに、失敬な奴である。
会議までにはまだもう少し時間がある。
なかなかに楽しい暇つぶしであった。