■ RATTLE
長男が一歳の誕生日を迎える頃、
私たち家族は福島県の会津磐梯山に住んでいた。
五色沼と小野川湖と桧原湖に囲まれた辺り。
会津若松までの距離は約六十キロ。
会津にはよく家族で買い物に出かけたものだった。
しかし、子どもにおもちゃを与えようとしても、
おもちゃ屋には陸なモノが売られていなかった。
「いいモノがないねぇ・・・」
「それじゃぁお父さんが作ってあげよう」
それが、
私がおもちゃの世界に関わるきっかけであった。
今、私の手元には毎日のように世界中のおもちゃのニュースが届く。
いつかは出来るであろう孫たちのため、
おもちゃを少しずつ買い集めているのだが、
三人の息子たちは一向に結婚の気配すら見せない・・・。
困ってはいないが、困ったことである。
昨日の日記に、
私は「人生はオムツに始まりオムツに終わる」、と書いた。
そのことで思い出したことがあり、
段ボール箱の中からいくつかの「ガラガラ」を取り出してみる。
「ガラガラ」、英語では「RATTLE」と表現する。
「ガラガラ鳴る」、または「ガタガタ音をたてる」というような意味の言葉。
「ガラガラ蛇」のことを「RATTLE SNAKE」
「脳たりん」のことを「RATTLE BRAIN」、という。
また、「RATTLE」には「喉鳴り」という意味もある。
臨終を迎えた人間が喉を「ゴロゴロ」と鳴らす、
または、臨終を迎えた人間が喉を「ゼイゼイ」いわせる。
そのことも、「RATTLE」という・・・。
子どもが一番最初に手にするおもちゃは「ガラガラ」であろう。
そう、人生は「RATTLE」に始まり、「RATTLE」で終わるのだ。