■ ゆく川の流れは・・・

aquio2007-04-12

春の夜はとても気持ちがいい。
で、ついつい夜更かしをしてしまう。
で、ついつい朝寝坊をしてしまうから、
春眠暁を覚えず、ということになる・・・。
今朝は六時に起床。
七時半、岡山の職場に向かって出発する。
とても眠い・・・。
とても眠いから、ゆっくりと車を走らせる。
山里の春は爛漫であった。
桜、こぶし、木蓮、桃、連翹、杏、雪柳・・・。
花という花がいっせいに咲いていた。
私がこの村に引っ越したのは十八年ほど前のこと。
まるで「日本昔話」に出てくるような村だったが、
今もその佇まいはほとんど変わっていない。
ここには日本の農村の原風景が残っているように思える。
とても長閑・・・・。
職場の裏庭ではスミレが可憐な花を咲かせていた。
「ゆく川の流れは絶えずして しかももとの水にあらず
 よどみに浮かぶうたかたは 
 かつ消えかつ結びて 久しく止まりたるためしなし
 世の中にある人と住家と またかくの如し」
鴨長明」が詠んだ歌。
「久しく止まりたるためしなし」であったのか、
それとも「久しく止まりたる事なし」であったのか、
加齢とともに記憶が曖昧になっている・・・。
ま、どっちでもいいのだが、
私はあと何回この景色を見れるのだろうか。
十回、十五回、それとも二十回・・・。
季節が巡る度、それがとても愛おしく感じられる。
「願はくば 花の下にて春死なむ そのきさらぎの 望月の頃」、
っていう歌もあったなぁ・・・。