■ ENZO MARI/エンツォ・マーリ・その6

aquio2007-04-14

食器棚を整理していたら、
「ENZO MARI/エンツォ・マーリ・」がデザインした
「16 PESCI/16匹の魚」が出てきた。
どこに仕舞いこんでしまったのかと、
捜し続けていたもの・・・。
しかし、なぜ食器棚に入っていたのだろうか?
謎である・・・。
このおもちゃが生産されたのは一九七四年。
「エンツォ・マーリ」四十二歳の頃のデザイン。
蛸、鮫、鯨、アザラシ、海蛇・・・。
十六匹の海の生き物たちが美しい線で表現されている。
特に、蛸のデザインの素晴らしさといったら・・・。
一九五七年にデザインされた「16 ANIMALI」と同じように、
当初、「16 PESCI」も厚手のブナ材で作られていたが、
この「16 PESCI」は硬質の樹脂で作られている。
前述したように、蛸のデザインは素晴らしいのだが、
木の特性を無視したデザインであったため、
その六本の足はすぐに折れたらしい。
子どもにこそ本物のおもちゃを持たせてやりたいと思うが、
子どもは力を制御する術を知らない。
で、ついつい力が入りすぎて蛸の足を折ってしまう・・・。
どうやら、そういったアクシデントが多発したようである。
で、ブナ材での生産を取り止め樹脂に切り替えた、ということであるらしい。
今、「16 PESCI」は再びブナ材で生産されているが、
この樹脂製の「16 PESCI」は大変に珍しい。
マニアにとっては垂涎のおもちゃであると思われるが、
私もマニアであるから、手放すつもりはまったく、ない。
しかし、いつまでも食器棚に仕舞いこんでおくのももったいない。
息子の店にでも飾ってやろうかと思う。
息子はイタリア料理の店を開業している。
店の棚に飾ってやろう。
しかし、息子にこのおもちゃの値打ちが分かるだろうか・・・。