■ 長生長者

aquio2007-05-01

「ちょっと道を訊きたいのやけど」、と
初老の男性が職場に入ってこられた。
職員の一人がその対応をしたのだが、
帰り際、私の顔をジッと見つめながら、
「あんたはおもしろい顔をしとるな」
「あんたはきっと長生きするわ」
「それに、きっと金持ちになる」
「長者になれる相をしとる」
「断言できる」、
とそう告げて、その男性はさっさと去っていった。
呆気にとられてしまったが、
私は過去に幾度か同じようなシーンに遭遇したことがある。
その昔、京都の八坂神社の境内を散歩している時も、
八卦見から見料を只にしてやるからと、
私の運勢を占ってもらったことがあった。
前の日記にも書いた憶えがあるが、
その時の私の運勢は、
「あんたは女に助けられて生きていく一生やな」、というものであった。
ある中国人の老女からも
「ふーむ、いい運勢を持っているわね」、
と手相を見ながら言われたことがあった・・・。
博多のバーでビールを飲んでいた時は、
「貴方は肩に大勢の生霊や死霊を背負ってますね」
「それだけ多くの化け物を背負っていれば、普通はとっくに死んでいるはずなんだけど・・・」
「貴方にはそれを跳ね返すだけの力があるのかな・・・」
と、不気味なことをいきなり言われたこともあった。
また、ある老人からは、
「胃に気をつけなされ」
「胃が丈夫になれば、あんたの悪運はさらに向上するじゃろう」、
と言われたこともあった・・・。
神の存在は信じていないが、
長命短命は「神のみぞ知る」ということであるし、
「金持ちになる」と言われたところで、
この歳ではその金の使い道に困るではないか・・・。
しかし、ま、
「あんたの命はとても短い」
「あんたは貧乏にのたうち回って死ぬやろ」、
と言われるよりは、はるかに気分がいい。
さて、今日も精を出して働くことにしよう。