■ たらの芽

aquio2007-05-05

自宅から職場までの距離はわずか。
今朝は森の中を遠回りして歩いて行くことにした。
森の中から鶯の声が聞こえてくる。
赤松の老木に「ヒトクチタケ」が生えていた。
樹勢が盛んな頃であれば、
木はその肌に異物を寄生させはしないものである。
「ヒトクチタケ」が生えているということは、
この木の寿命は尽きる時にきているのだろう。
コシアブラ」の盛りは過ぎてしまっていたが、
あちこちで「たらの木」が芽吹いていた。
「たらの木」の「芽」、
いわゆる「たらの芽」は「赤芽」と「青芽」に区別される。
赤っぽく、棘があるのが「赤芽」。
青っぽく、棘のないのが「青芽」。
この辺りに自生する「たらの芽」の多くは「赤芽」であるが、
「赤芽」の方が野趣に溢れる味であるように思える。
今夜のため、幾つかの「赤芽」を採取する。
しかし、近年、「たらの木」の数はめっきりと減ってきた・・・。
毎年、一本の「たらの木」からは幾つかの「新芽」が芽吹く。
しかし、すべての「新芽」を採りきってしまうと、
「たらの木」はすぐに枯れてしまう。
来年のためにも、「芽」は一つだけでも残しておかなければならない。
それが最低のルールなのだが、
都会からやってくる採取者は、その最低のルールすら知らない。
根こそぎ採取していく者も、中にはいる。
昔、庭に咲く「笹百合」を根こそぎ盗られるという事件もあった・・・。
国有・私有の違いはあれ、山には必ず所有者がいる。
山菜で生計を立てていらっしゃる農家もある。
都会からやって来る採取者はそのことを知らないのだろうか。
自分のモノ以外はすべて他人のモノ、なのだが・・・。