■ 母の日
K君・Mさんの結婚式から帰る。
神戸のアパートに向かう途中、
三宮で夕食を済ませることにする。
いつものカフェに向かう途中、
いつものギャラリーにフラリと入る。
ギャラリーでは「キリム展」が開催されていた。
そもそも「キリム」とは「平織り」を意味する言葉。
ギャラリーには使い古された「キリム」、
それを「オールド・キリム」と呼ぶらしいが、
その「オールド・キリム」のカーペットに混じり、
新品の「キリム」のクッション等が多数展示されていた。
中に、「キリム」を用いたポシェットが目に付く。
使えなくなった「オールド・キリム」を利用したものであるらしく、
同じ柄のモノは二つとない、という。
五月の第二日曜は「母の日」
このポシェットを母にプレゼントすることにした。
思えば、今まで私は「母の日」に贈り物をしたことがない。
「何事か!?」、と母は驚くに違いない。
ひょっとしたら、心臓麻痺でも起すかもしれない。
ま、それはそれで喜ばしいことではあるが、
慣れないことをしたため、
ひょっとしたら、私が不慮の事故で死ぬ、ということも考えられる。
「私は母の日に息子から贈り物をもらったことがない」
「あろうことか、その息子が初めて私に贈り物をくれた」
「思えば、あれがいわゆる虫の知らせというものではなかったでしょうか!?」、
と母にそのような弔辞でも読まれた日にゃ、私が浮かばれない・・・。
ま、しかし、目に付いてしまったものは仕方がない。
「母の日」には少しずれてしまったが、
明日にでもプレゼントしてやることにしよう。
きっと似合うことだろう。