■ からくり

aquio2007-06-03

今年の九月、滋賀県近江八幡市において、
「琵琶湖ビエンナーレ」が開催される。
そろそろそのための作品を作らなければならない。
制作のために残された時間は三ヶ月ほどしかない。
作品のアイデアはいくつもあるのだが、
作る時間がなかなか、ない・・・。
イデアを描きためたスケッチ・ブックも、
その数は三冊を超えているが、
まずは制作のための時間を作らなければならない。
H君とT君が手伝いをしてくれることになった。
彼らなら腕も確か。
私が作るのも誰が作るのも同じ、という部分の制作を頼むことにした。
それだけでも随分と助かる。
材木の切断、様々なパーツの成形は彼らに任すことにし、
作品の着色や仕上げ、最後の組み立てと味付けを私がすることにする。
「琵琶湖ビエンナーレ」には三十ほどの作品を出品する予定だったが、
残された日数から逆算すると、
三日で一つ作らなければならない・・・。
これはどう考えても不可能な数字であるから、
小さな作品を二十、大きな作品を十ほど作ることにした。
木工の場合、モノが小さくなればなるほど手がかかるものである。
銘木を選んで作られる棗(なつめ)などがその好例だろう。
モノが小さくなればなるほど、誤魔化しがきかないものなのである。
モノが小さくなれななるほど、職人の技量が如実に現れる。
今日、アトリエに転がっていた端材で「牛」のからくりを作る。
完成にはあと二日ほど手をかけなければならないが、
ま、とても楽しいからくりが出来上がりそうである。
何も考えずに木を削っている時、私は何とも言えない安らぎを感じる。
根っから木工が好きなのであるね。