■ 台湾・その1

aquio2007-06-27

総勢二十一名のグループで台湾に向かう。
台湾を訪れるのは初めてのこと。
午後十一時過ぎ、台北中央駅前のホテルに到着。
台北の空はネオンサインで赤茶色に染まっていた。
バスを降りたとたん、
三十七年前の思い出が鮮烈によみがえる。
東名高速道路が開通した頃、
友人と廃車寸前の車を走らせ、
大阪から東京に旅したことがあった。
東名高速の終点、
用賀インターの手前あたりから右側を見ると、
遠くの空が真っ赤に燃えていた。
「空が真っ赤やで、火事とちゃうやろか?」
「あれだけ赤いねんから、きっと大火事やで・・・」、
などと、そんな会話を交わしながら走っていたことを思い出す。
空が赤かったのは、赤坂の灯のせいであった。
当時、赤坂は東京随一の繁華街であった。
当時は用賀から赤坂の灯が見えたのだ。
ポケットから金を出し合い、赤坂のディスコにも何度か通った。
あのディスコの名前は「MUGEN」、といったと思う。
大卒の初任給が三万円程度であった頃、
「MUGEN」の入場料は一千五百円ほどであった・・・。
歩いてみないことには解らないが、
台北は日本の昭和四十年代の街並みに似ているような気がする。
下水道がきちんと機能していないのだろう、
台北中央駅の近辺には糞尿の臭いがかすかに漂っていた。
臭いには臭いが、なんだかとても懐かしい。
日本においても、
其処此処から糞尿の臭いが漂っている時代があった。
わずか四十年ほど前のことである。