■ RUDOLF LUKES

aquio2007-07-26

フランスの飛び出す絵本を二冊購入する。
「LE LIONCEAU POLISSON et ses amis」
「LA TORTUE FARFELUE et ses amis」
購入したのはいいのだが、
どうにもそのイラストがフランスっぽくない。
しかも、製本の仕方にチェコの匂いがする。
奥付を見てみると、
「Illustrations de Rudolf Lukes」
と印刷されていた。
どうやら、これはチェコの絵本作家である
「ルドルフ・ルークス」の作であるようである。
さらに、奥付には
「1969 Artia Prague」
「Tchecoslovaquie」とも印刷されていた。
チェコがまだスロバキア連邦政府を樹立していた時代、
プラハの「Artia/アルティア」社が一九六九年に出版したものであるようだ。
一九六九年のチェコスロバキアといえば、まだ共産党政権が実権を握っていた時代。
外貨獲得のため、
プラハの「アルティア」社がフランス語訳の「飛び出す絵本」を制作し、
フランスの出版社が販売したものであると推測される。
また、奥付には「trimestre 1971」と印刷されている。
フランス語はチンプンカンプンだが、
これは「一九七一年・三刷」という意味ではないだろうか・・・。
今、「飛び出す絵本」「しかけ絵本」のブームが到来している。
例の「ロバート・サブダ」の出現がそのブームに火を点けたのだが、
「サブダ」はアメリカの人間。
どうにも彼の作る「飛び出す絵本」はハリウッド映画的でいけない・・・。
「わぁ、すごい!」とは思うのだが、
見終わった後、何の余韻も残らないのも、ハリウッド映画的であるように思える。
それに比べ、チェコ・アニメやフランス映画、
そして、イタリア映画には記憶に永く残る情緒のようなものがある。
絵本もまた然り、であるように思える。