■ RUDOLF LUKES
フランスの飛び出す絵本を二冊購入する。
「LE LIONCEAU POLISSON et ses amis」
「LA TORTUE FARFELUE et ses amis」
購入したのはいいのだが、
どうにもそのイラストがフランスっぽくない。
しかも、製本の仕方にチェコの匂いがする。
奥付を見てみると、
「Illustrations de Rudolf Lukes」
と印刷されていた。
どうやら、これはチェコの絵本作家である
「ルドルフ・ルークス」の作であるようである。
さらに、奥付には
「1969 Artia Prague」
「Tchecoslovaquie」とも印刷されていた。
チェコがまだスロバキアと連邦政府を樹立していた時代、
プラハの「Artia/アルティア」社が一九六九年に出版したものであるようだ。
一九六九年のチェコスロバキアといえば、まだ共産党政権が実権を握っていた時代。
外貨獲得のため、
プラハの「アルティア」社がフランス語訳の「飛び出す絵本」を制作し、
フランスの出版社が販売したものであると推測される。
また、奥付には「trimestre 1971」と印刷されている。
フランス語はチンプンカンプンだが、
これは「一九七一年・三刷」という意味ではないだろうか・・・。
今、「飛び出す絵本」「しかけ絵本」のブームが到来している。
例の「ロバート・サブダ」の出現がそのブームに火を点けたのだが、
「サブダ」はアメリカの人間。
どうにも彼の作る「飛び出す絵本」はハリウッド映画的でいけない・・・。
「わぁ、すごい!」とは思うのだが、
見終わった後、何の余韻も残らないのも、ハリウッド映画的であるように思える。
それに比べ、チェコ・アニメやフランス映画、
そして、イタリア映画には記憶に永く残る情緒のようなものがある。
絵本もまた然り、であるように思える。