■ JACK AND THE BEANSTALK

aquio2007-07-27

映画「ジャックと豆の木」を観る。
ジャックは牛と豆を交換する。
その豆を庭に撒いたところ、
豆は天に届くまでに成長し、
ジャックは豆の木を登っていく。
人喰いの巨人の住む城に辿り着いたジャックは、
その城から、
黄金のハープと金の卵を産む雌鳥を地上に持ち帰る。
子どもの頃に読んだ、
イギリス民話「ジャックと豆の木」の粗筋だが、
いくら相手が人喰い巨人とはいえ、
ジャックが犯したのは「窃盗罪」であり、
豆の木を切り倒して巨人を墜落死させたのであるから、
ジャックは「殺人罪」も犯したのではないだろうか・・・。
映画はそのような視点から作られていた。
映画の中では、人喰い巨人は心の優しい巨人として描かれている。
その心優しい巨人の手からジャックは宝物を盗む・・・。
その卑しい行為を正当化するため、
ジャックは天上の住人のことを「人喰い」であった、と嘘をつく。
また、天上から落ちてきた巨人にはまだ息があったのだが、
その巨人の首を切り落として息の根を止めたのは、ジャックの母親だった。
天上の宝物を盗み、巨人を殺害したことで、
ジャックと母親には呪いがかけられる。
雌鳥に金の卵を生ませ続けることでジャックの家は繁栄するが、
ジャックの子孫は必ず短命であり、
母親は四百歳になっても死ぬことができない・・・。
ま、映画はハッピー・エンドで終わるのだが、
なかなかに深刻な内容を含んだ映画ではあったな。
ジャックと豆の木」、この民話はいつの頃から語り続けられているのだろうか。
その昔、イギリスは圧倒的な海軍力を誇っていた。
世界から富を略奪し尽くして栄えた時代があった。
ひょっとしたら、
ジャックと豆の木」はそのような時代に作られた物語なのかもしれない・・・。