■ JACK AND THE BEANSTALK
映画「ジャックと豆の木」を観る。
ジャックは牛と豆を交換する。
その豆を庭に撒いたところ、
豆は天に届くまでに成長し、
ジャックは豆の木を登っていく。
人喰いの巨人の住む城に辿り着いたジャックは、
その城から、
黄金のハープと金の卵を産む雌鳥を地上に持ち帰る。
子どもの頃に読んだ、
イギリス民話「ジャックと豆の木」の粗筋だが、
いくら相手が人喰い巨人とはいえ、
ジャックが犯したのは「窃盗罪」であり、
豆の木を切り倒して巨人を墜落死させたのであるから、
ジャックは「殺人罪」も犯したのではないだろうか・・・。
映画はそのような視点から作られていた。
映画の中では、人喰い巨人は心の優しい巨人として描かれている。
その心優しい巨人の手からジャックは宝物を盗む・・・。
その卑しい行為を正当化するため、
ジャックは天上の住人のことを「人喰い」であった、と嘘をつく。
また、天上から落ちてきた巨人にはまだ息があったのだが、
その巨人の首を切り落として息の根を止めたのは、ジャックの母親だった。
天上の宝物を盗み、巨人を殺害したことで、
ジャックと母親には呪いがかけられる。
雌鳥に金の卵を生ませ続けることでジャックの家は繁栄するが、
ジャックの子孫は必ず短命であり、
母親は四百歳になっても死ぬことができない・・・。
ま、映画はハッピー・エンドで終わるのだが、
なかなかに深刻な内容を含んだ映画ではあったな。
「ジャックと豆の木」、この民話はいつの頃から語り続けられているのだろうか。
その昔、イギリスは圧倒的な海軍力を誇っていた。
世界から富を略奪し尽くして栄えた時代があった。
ひょっとしたら、
「ジャックと豆の木」はそのような時代に作られた物語なのかもしれない・・・。