■ 脳と眼と手

aquio2007-08-12

一昨日の日記に、
「販売用のポスト・カードを製作中である」、
とそう書いたところ、
id:maruboさんから、
私の職業について質問を受ける。
私の本業は「からくり人形」の制作であると思うが、
現在、その他にも幾つかの仕事を抱えているから、
いったい何が本業であるのやら、
時々自分でも分からなくなってしまうことがある。
自分でも分かっていないから、
人から見れば「???」なのであるね・・・。
からくり人形を作ろうとする時、
私はまずそのモノのイメージを思い浮かべる。
次に、そのイメージをより明確なモノにするため、
紙の上にそのイメージを転写させていく。
つまり、「絵を描く」、ということであるが、
「もう少しこの線を長くしてみよう」とか、
「もう少しこの円を大きくしてみよう」とか、
絵を描くという作業を通じて、イメージはより具体的なモノに変化していく。
絵を描くことによって、
漠然としていた頭の中のイメージが、具体的な「形」して眼で認識されるようになる。
つまり、脳と眼と手は「連動」していると言える。
映画監督にも絵を描く人は多い。
絵を描くことによって、脳の中のイメージが明確なモノになり、
描いた「絵」を用いて、関係者に自分のイメージを伝える。
料理人にも絵を描く人は多い。
白い画用紙を皿に見立て、絵を描きながら皿の上の盛り付けを考える。
絵を描くという作業は、
モノ作りに携わる人間にとって必須の作業であると言える。
コンピューター全盛の時代ではあるが、
紙の上に絵が描けない人間が、
コンピューターのディスプレー上に絵が描けるはずがない・・・。
私は「からくり人形」の制作とデザインに関わっているため、
ある程度の絵が描けなければ、仕事にならない。
また、上手い下手の議論は別の機会に譲るとして、
多少なりとも絵が描けるから、
ポスト・カードのデザインなどと、余計な仕事を押し付けられる。