■ ビエンナーレ・その2
今から約百年ほど前、
イタリアのベネツィアで、
国際的な美術展が世界で初めて開催された。
いわゆる「ベネツィア・ビエンナーレ」。
「ビエンナーレ」とは、
「隔年」「二年毎」を意味するイタリア語。
「三年毎」のことは「トリエンナーレ」と表現する。
過去の「ベネツィア・ビエンナーレ」には、
ピカソ、マティス、セザンヌ・・・らが出展し、
また、日本からは、
横山大観、岡本太郎、棟方志巧・・・、
といった錚々たるアーティスト達が出展している。
世界で一番歴史のあるビエンナーレ、
それが「ベネツィア・ビエンナーレ」なのである。
ある国のある都市で、
国際的美術展隔年開催の話が持ち上がったことがあった。
その都市の行政関係者に話が持ち込まれたのだが、
その行政関係者も、その都市の長も、
誰一人として「ビエンナーレ」の意味を知らなかった、という・・・。
「二年毎に開催しなければならない」、とは思わなかったらしい。
「地域振興に利用できる」
「国から補助金が引っ張り出せる」、と行政関係者たちは色めき立ったらしいが、
「ビエンナーレ」のポスターが刷り上った頃になり、
関係者たちは、初めて「ビエンナーレ」の意味を知った、という。
「BIENNALE」とポスターやチラシに印刷してしまったものだから、
国際的にも引っ込みがつかなくなってしまった・・・。
で、現在もその都市では細々と「ビエンナーレ」が開催されているのだが、
アートに対する主催者側の意識が低いから、
その都市の「ビエンナーレ」はいつも盛り上がりに欠ける・・・。
あるビエンナーレ関係者から聞いた話。
馬鹿げた話ではあるが、
知ったかぶりをするから、こういう結果を生む。