■ 楊貴妃

aquio2007-09-11

トア・ロード「MOKUBA」に出かける。
今夜は「MOKUBA」の開業三十周年記念パーティ。
指揮者のSさんの呼びかけで、
四十人ほどの面々が「MOKUBA」に集まる。
画家、音楽家、ダンサー、学者、新聞記者・・・、
多士済々の集まりだったように思う。
私の席の横には民族歴史学者のOさん。
いつも「MOKUBA」で酔いつぶれているOさんだが、
素面のOさんを初めて見たような気がする。
そのOさんから「香」についてレクチャーを受ける。
楊貴妃」は白系ペルシャ人であった、という。
いわゆる「胡族」出身の女性であった、というのだ。
「胡」は、中国における異民族の総称であり、
漢の時代においては、
「胡」は「えびす」と読まれ、「匈奴」のことを差した。
唐の時代になると、「胡」は広く西域の民族のことを差すようになった。
「胡瓜/きゅうり」「胡麻/ごま」「胡椒/こしょう」「胡桃/くるみ」
「胡」のつくモノは、すべて西域からもたらされたモノである。
「胡坐/あぐら」も、西域の人間の座り方であった、という。
楊貴妃」はペルシャ人であったから、
その体格や顔つきはモンゴロイドとは随分と違っていただろう、と思われる。
Oさんの説によると、
楊貴妃は体臭のきつい女性ではなかったか」、というのだ。
楊貴妃」は柱に麝香や乳香を塗りこんだ、
沈香亭/ちんこうてい」と呼ばれる屋敷に住んでいた。
どうやら、それも体臭を紛らわすための工夫ではなかったか、というのである。
体臭を紛らわせるため、
楊貴妃」は様々な香料を身体にも塗っていたらしい。
どうやら「玄宗皇帝」は、
その身体と、その身体から発散される「香り」の虜になったようなのである。
男として、そのあたりのコトはよく分かるなぁ・・・、なのであるね。
楊貴妃は体臭のきつい女やってん」
「なんとなく疑わしいことを『胡散臭い/うさんくさい』って言うやろ」
「胡散も『胡』ていう字がついてるやろ」
「な、楊貴妃も胡散臭い女やってん」、とOさんは強調しておったが、
そのOさんが、「黒方/くろぼう」と呼ばれる香水を携帯していた。
「黒方」は平安時代から伝わる香料であるが、
その「黒方」のエキスを抽出して作られた香水を持ち歩いていた。
「なんでそんな香水持ち歩いてんねん?」、と訊くと、
「この香りで女をクラクラさせんねん」、とほざきおった。
「阿呆か・・・」なのであるね。