■ 講義・初日

aquio2007-09-20

音大を受験する学生の数が激減しているらしい。
美大もまた然り、であるらしい。
定員を割り込む大学が増えている、という。
「音楽家になりたい」
「絵描きになりたい」、
とそう考える若者が少なくなってきた、のである。
Fは某芸大の卒業生だが、
呆れるほど、絵が下手くそである・・・。
訊いたところによると、
「試験らしい試験はなかった」、と言う。
少子化の影響なのだろう、
デッサンすらまともに描けなくても、
美大に入学できる時代になったのである。
で、「学生時代に絵の勉強はしたのか」、と訊くと、
「いいえ、ほとんど・・・」、という返事・・・。
ちなみに、Fが卒業した美大というのは、
貧乏であったため、私が入学できなかった大学である。
ま、美大卒の肩書きは嫁入り道具として使えるかもしれないな。
「花嫁は○○美大の○○科を卒業された才媛でいらっしゃいます」、
とかなんとか、披露宴で仲人に紹介されたりしてね・・・。
オッ、いかんいかん、ついついひねくれた書き方をしてしまった。
今日、K芸工大に出かける。
今月の二十六日から、
この大学で「おもちゃのデザインと制作」の講義を受け持つことになっているのだが、
助手のYさんにお訊きしたところによると、
「明確な目的意識を持った学生は少ない」、ということであった・・・。
「あぁ、ここもか・・・」なのであるね。
「どこそこの店で、どういった形の、値段は幾らのナイフを何本買え」、
とそこまで指示しないと、ナイフ一本買えない学生が多いらしい。
小学生じゃあるまいし・・・。
すべてが受け身、すべてが指示待ち、なのであるらしい。
女にとっては、卒業証書は嫁入りの道具になるかもしれないが、
男にとっては、そんなものは鼻紙にもなりゃしない。
現在の職業・仕事を離れた場合、他の職業・仕事に十分に適応し得る。
そのことを「潰しが効く」と表現するが、
潰しが効くも、効かないも、
二十六日から相手にしなければならないのは、
そもそも潰す前の原形すら出来上がっていない若者たちでなのである。
一人でも二人でも、男でも女でも、
優れた地金を持った子がいてくれればいいのだが・・・。
さてさて、なのであるね。