■ 生放送

aquio2007-10-05

地元のFM局に出かける。
今月から、第一金曜日午後四時からの番組に、
レギュラーとして出演することになった。
おもちゃの話、子どもの頃の話、
友達の話、家族の話、恋の話・・・。
「とにかく、何でもいいから喋れ」、
と局のMさんが言うので引き受けたのだが、
あれだね、結構、緊張するものであるね。
緊張したことなど過去に一度もないのだが、
生放送であるから、滅多な言葉は使えない。
いわゆる「放送禁止用語」。
生放送であるから、後で修正がきかない。
私はラジオやテレビのプロではないから、
そのあたりのことはほとんど知らない。
知らないから、うっかり言ってしまうことがあるかもしれない。
私にその話を持ちかけたMさんも無謀だが、
引き受けた私も無謀といえば無謀・・・。
危険な匂いのする言葉は努めて使わないようにしたのだが、
例えば、「片手落ち」などの言葉も使えないという。
こんな時には、「配慮が一方だけに偏っていますね」、
とかなんとか言わなければならない、らしい・・・。
「面倒くさいなぁ」、なのであるが、
引き受けた以上は、Mさんのためにもいらぬトラブルは避けなければならない。
「それやったら、言葉の後に『ピー』とか言ったらええんとちゃうん?」
「言ったしまった後で『ピー』って言っても遅すぎます。生放送なんですから」
「言うてしもた後でも、『アッ、今の言葉はピーです』って訂正したらええやんか?」
「あきません!」
「ふ〜ん、それやったら、セックスに関する話題も駄目なん?」
「当然です!」
「何を喋ってもかまへん、って言うたやんか!?」
「駄目なものは駄目です!」
「でも、セックスって人間の存在の根源に関わる問題やで!」
「根源であろうとなかろうと、駄目なものは駄目なんです!」
「喋った後で『ピー』って言ったらええやんか?」
「だからぁ、喋った後で『ピー』って言っても駄目なんですって!」
まるで漫才のような会話であったが、
放送前の会話を生で流した方が良かったかもしれない。
ひょっとしたら、その方が聴取率が上がったかもしれない・・・。