■ 風の便り

aquio2007-12-02

今から三十二年前のこと。
仕事に行き詰まりを感じ、
青山通りをトボトボと歩いていた時、
青山三丁目の交差点でOさんとバッタリと出会うことがあった。
Oさんはそれまで勤めていた会社を辞められ、
新しく会社を立ち上げられたばかりの頃だった。
「久しぶりだね。、お茶でもどう」、と誘われ、
二人でコーヒーを飲んだことを、今も懐かしく思い出す。
その出会いをきっかけに、
私とOさんは急速に親しくなっていったのだが、
仕事の進め方、人との接し方、思考方法・・・等々、
Oさんには実に様々なコトを教えていただいた。
窮地を救っていただいたことも一度ならず、ある・・・。
Oさんには本当にお世話になった。
「影響を強く受けた人物は?」、
「人生における師は?」、と問われたら、
私は間違いなくOさんの名前を挙げることができる。
しかし、人命にかかわるようなある事件をきっかけに、
以後、私はOさんと連絡を取り合わなくなってしまった。
それから二十年という歳月が流れる。
Oさんとの間にはいろいろな出来事があった。
しかし、この歳になると楽しかったことばかりが思い出されてならない。
以前のように酒を酌み交わす機会はもうないのだろうか・・・、
と強くそう思うことがある・・・。
今日、そのOさんの近況を風の便りに聞く。
リタイアされたOさんは、ヨットで日本を一周していらっしゃるらしい。
その航海日誌もインターネット上に公開されているという。
キーワードとなる言葉を幾つか打ち込み、検索してみた。
コンピューターの画面に、昔のままのOさんの人懐っこい笑顔が現れた。
実に懐かしい。
あの青山三丁目の交差点におけるOさんとの出会いがなければ、今の私はなかったはず。
いつか機会があれば、是非お会いしたい・・・。
さて、明日からはドイツへ出張。
ミュンヘンドレスデンライプチヒ、ザイフェン、ベルリン、ポツダム・・・と回る予定。
帰国は十二月十日の午後。