■ 整理・その8・MILLE MIGLIA

aquio2007-12-13

イザール門からそう遠くない所、
イタリア・レストランに向かう道すがら、
あるインテリア・ショップで見つけた車のおもちゃ。
ガラス越しに見ただけなのだが、
すっかり気にってしまった。
店はとっくに閉店してしまっている。
で、ミュンヘンにお住まいのGさんに、
「あの金属製の車を買っておいてくれませんか」
「お金はあとでお支払いします」、
とお願いしておいた。
お願いしたのは十二月四日の夜のことだった。
Gさんとは、
四日後にベルリンで再度お会いすることになっていた。
十二月八日の午後、
待ち合わせていたレストランでGさんにお会いする。
G「はい、これ頼まれていた車」
私「確か、金額は百二十ユーロでしたね」
G「一日遅れの誕生日のプレゼントです」
私「そんな高価なものを・・・」
G「欲しいとおっしゃるものを差し上げるのが一番ですから」
有り難く、遠慮なく頂戴することにした。
箱には「MILLE MIGLIA」「Brescia-Roma-Brescia」「Maserati」と印刷されていた。
今から八十年ほど前のこと、
イタリア北部のブレシアを出発し、
ローマを経由してまたブレシアに戻るというレースが、三十年間ほど開催されたことがあった。
その距離一〇〇〇マイル。
今では伝説となってしまったレースだが、
そのレースのことを「MILLE MIGLIA/ミッレ・ミリア」、つまり「1000マイル」と呼んだ。
往年の数々の名車がその覇を争ったレース。
どうやら、この車のおもちゃは、
その「ミッレ・ミリア」に出場した「Maserati/マセラティ」を模したものであるみたい。
しかし、いったいいつの時代の「マセラティ」であるのか、皆目見当がつかない
こういうことに詳しい友人から資料を借りて調べたところ、
一九三十年の「MILLE MIGLIA」に参加した「Maserati Tipo 20C」であることが判明する。
それにしても、Gさんからは何度か誕生日のプレゼントを頂戴しているが、
私は彼女の誕生日を知らない・・・。
訊くと、「ロンドンにお住まいのFさんの誕生日の二日後」、という答・・・。
Fさんにそれとなく誕生日を聞いておかなくては。