■ 寒

aquio2008-01-05

自宅の庭、
庭といってもただの荒れ野なのだが、
その庭の其処此処に点在する水溜りに、
今朝は鼠色の薄氷が張っていた。
中に、複雑な模様を見せる一枚の薄氷があった。
周りに積もった雪の上には、
小さな動物の足跡が点々と続いていた。
どうやら、
小動物が脚を乗せたことで水溜りの氷が割れ、
割れた氷が再氷結してできた模様のようである。
実に美しい。
額に入れて飾っておきたいほどの美しさ・・・。
しかし、いったい何の動物なんだろうか。
鹿や猪といった大型の偶蹄類ではないし、
ウサギは独特な足跡を残していくから、ウサギでもない。
第二次世界大戦の頃、この辺りの村々では、
軍用の毛皮獣として、
南アメリカ原産のヌートリアが飼育されていたらしいが、
逃げ出したヌートリアが繁殖し、
今でも多数の目撃例が役場に寄せられている、という話を聞いた憶えがある。
しかし、ヌートリアであれば後足に水かきがついているはずだし、
足跡には水かきらしき痕跡がない。
近頃は麓の民家の屋根裏に「白鼻心・はくびしん」が住み着いているという噂も聞くから、
ひょっとしたら、「白鼻心」かもしれないな・・・。
ひょっとしたら、自宅のボイラー室にでも住み着いているのかもしれない。
それにしても、
近頃、鹿や猪を見る機会がめっきり少なくなってしまった。
深夜、鹿の集団が堂々と道路を横切っていく。
車のヘッドライトに驚いた猪の集団が道路を一直線に逃げていく・・・。
つい最近まで、そんな光景をよく見たものだったが、
害獣駆除という名目のもと、多数の鹿や猪が射殺されているのだろう。
森の中の生態系がグズグズと崩れてきている。