■ 整理・その12・NAPOLEON’S TOYSHOP

aquio2008-01-23

一九九一年、
ロンドンの「VICTOR GOLLANCZ」社から出版された
NAPOLEON'S TOYSHOP」と、
同じく、一九九一年、
アメリカの「PENGUIN BOOKS USA」から出版された
「JOSEPHINE'S TOY SHOP」。
二冊ともミュンヘン古書店で求めたしかけ絵本
文章の表現が違う点を除き、
二冊とも、その体裁はまったく同じ。
一方の「NAPOLEON'S TOYSHOP」には、
NAPOLEON」という名の猫が登場する。
その「NAPOLEON」には
「JPSEPHINE・ジョセフィーヌ」という名のおもちゃのネズミの友達がおり、
NAPOLEON」と「JOSEPHINE」には
「WELLINGTON・ウエリントン」という名のいたずら好きのネズミ(本物)の友達がいる。
本は、「ナポレオン」と「ジョセフィーヌ」が、
隠れている「ウエリントン」を探しながらトイ・ショップの中を案内する、
という内容に設定されている。
あのフランスの皇帝であった「ナポレオン」には年上の女房がいた。
その女房の名前が「ジョセフィーヌ」。
「ナポレオン」と「ジョセフィーヌ」はともにフランス人の名だが、
なぜそこにいきなり「WELLINGTON」というイギリス人の名がでてくるのか・・・?
不思議に思い調べてみると、
その当時、
フランスと敵対していたイギリスには「ウエリントン」という名の将軍がいた。
「なるほどね!」、なのであるね。
その辺りの歴史を理解するかしないかで、この本の面白味はうんと違ってくる。
未だにイギリスとフランスは仲が悪い、という話をよく聞く。
「イギリスのウエリントンがフランスのナポレオンとジョセフィーヌをおちょくっている」、
読みようによっては、
このしかけ絵本にはそのような内容が含まれているように読める。
もう一方の「JOSEPHINE'S TOY SHOP」には、
「JOSEPHINE」という名の猫が登場するが、
彼女の友達であるおもちゃのネズミや本物のネズミには名前がなく、
「My favorite toy is Toy Mouse」、「Real Mouse」とだけ記載されている。
イギリスの出版社が出版した「NAPOLEON'S TOYSHOP」と、
アメリカの出版社が出版した「JOSEPHINE'S TOY SHOP」。
読み比べると、それぞれのお国柄が垣間見える。