■ 整理・その20・kunst ein kinder spiel

aquio2008-02-21

今月の八日、
ミュンヘンにお住まいのHさんから頂戴した
「kunst ein kinder spiel」。
日本語に訳すと、
「芸術/子どもの遊び」ということになるのかな・・・。
あの、プリズムを通して描いたような画で有名な
「Lyonel Feininger/リオネル・ファイニンガー」が、
一九一四年に制作した蒸気機関車のおもちゃ。
あの、あまりにも有名な「red & blue Chair」や、
「zigzag char」をデザインした
「Gerrit Rietveld/ゲリット・リートフェルト」が、
子どものために制作した手押し車のおもちゃ。
「side shell chair」や「shell armchair」をデザインした、
建築家の「Charles Eames/チャールス・イームズ」が
一九七九年に制作した「House of Cards」。
「Pablo PIcasso/ピカソ」が一九五二年に制作した、
木っ端を削って粗く着色しただけの抱き人形。
著名な建築家であり、日本の建築文化を世界に知らしめたことでも有名な
「Bruno Taut/ブルーノ・タウト」が、
一九二〇年に制作したガラスの積み木の習作。
「Paul Klee/パウル・クレー」が一九二五年に、
廃物の手袋と木っ端で制作した指人形・・・。
本には錚々たるアーティストたちの作品や習作が網羅されているが、
そのほとんどが、自分の子どものために作ったおもちゃであったり、
制作の合間に、遊びの心で制作したおもちゃであったりする。
しかし、おもちゃとはいえ、
リートフェルト」が作った手押し車などは、
「red & blue chair」をそのまま手押し車に作り直したような色と形であるし、
「Alexander Calder/アレキサンダー・カルダー」が
一九七二年に制作したブリキ缶の鳥などは、
雑な作りとはいえ、これはこれで立派なアートである、とそう思わせるほどの出来映えである。
「BAUHAUS/バウハウス」で活躍した多くのアーティストたちの作品も収録されている。
「遊びの心」「子どもの心」がなければ、決して芸術というものは生まれない。
この本の著者はそう言いたかったのだろう。
パラパラと本を捲っていくうち、
「kunst ein kinder spiel」という、この本のタイトルの意味が自ずと理解されてくる。