■ 狐

aquio2008-03-06

昨晩は久しぶりに木工の作業に勤しむ。
作業場を出たのは、深夜十二時半を少し過ぎていた。
家への帰り道、出会いがしらに狐の親子に出くわす。
こちらも驚いたが、むこうも驚いた様子であった。
雪は音を吸収してしまうから、
人の近づく気配が分からなかったのだろう。
しばらくの間睨み合っていたが、
「危険は無い」、と判断したのだろうか、
狐の親子は、
雪の中を軽やかな足取りで林の中に消えていった。
いわゆる「fox tort / フォックス・トロット」。
それにしても、子狐の可愛いことといったら・・・。
親狐は悠々と背を見せて走っていったが、
子狐は何度も振り返って私を見ていた。
狐といえば、
車に轢かれて死んでしまった狸は何度も見ているが、
狐の轢死体などは、一度も見たことがない。
車のヘッドライトの照射を浴びたとたん、
狸は慌てふためいて道路の上を右往左往してしまう。
で、車に轢かれてしまうのだが、
狐は速度をあげてサッサと道路を横切ってしまい、
遠く離れた場所から、車の動きをジッと観察している。
瞬間的な判断力という点において、狸は狐に遠く及ばない。
判断といえば、
下手な猟師に狙われた狐は困惑する、という笑い話を聞いたことがある。
腕のいい猟師に狙われた場合、
鉄砲の弾は自分(狐)に向かって真っ直ぐに飛んでくるはずであるから、
猟師の指が引き金にかかったとたん、
ほんの少し身体を移動させるだけで、狐は猟師の撃った弾から逃れられる。
しかし、下手な猟師の撃った弾は、どこに飛んでくるか分からない。
で、狐は「右に逃げようか、それとも左に逃げようか?」、と判断に困るらしい。
ま、それほどに狐は賢い、ということなんだろう。