■ pen
今から十年ほど前、
岡山の職場で月に一度発行している機関紙に、
飛び出す絵本の特集を組んだことがあった。
七千字ほどの小論文を書くため、
大阪の中之島図書館にまで出向いたりもした。
インターネットが今ほど発達していなかった頃のこと。
飛び出す絵本についての資料など、
どこを探してもほとんど見つからなかった。
様々な書籍の中に記載されている、
ほんの少しの記事を引っ付けたり、引っぺがしたり。
記事の出典が分かれば、その出典を探したりもした・・・。
今日、男性誌「pen」の取材を受ける。
五月発売の号が飛び出す絵本の特集になるらしい。
あの「ロバート・サブダ」の出現で、
空前の飛び出す絵本ブームが到来している。
ま、ブームはブーム。
いつかは落ち着きを取り戻すのだろうが、
昔から収集を続けてきたコレクターとしては、
実にいやな時代になった、と言える。
「yahoo」や「eBay」のオークション・サイトにおいても、
ありふれた飛び出す絵本に、とんでもない高値がついていたりする。
ボロボロに破損した飛び出す絵本に、
「頭おかしいんじゃないの?」、というような値段をつけている人もいる。
静かにそっとしておいて欲しかった・・・。
集めにくいったらありゃしない、のであるね。
すべては需要と供給のバランスの上に立つことであるから、
文句を言っても仕方がないのだが・・・。
少し前、日産のコマーシャルに、
「ボイチェフ・クバシュタ」の飛び出す絵本が取り上げられたことがあった。
あれ以来、私のこの日記にも「クバシュタ」で検索をかけてくる人が後を絶たない。
それまでは四千円弱で入手できた「クバシュタ」が、今では優に一万円を超える・・・。
誰が仕掛けたのか知らないが、
ま、仕掛けた奴らは知ってるけどさ、
今後、コマーシャルには「サブダ」を使っていただきたいものである。
「サブダ」で十分。
「クバシュタ」をコマーシャルなどに使うんじゃないぜ。