■ 牙

aquio2008-04-01

今日は倉敷に作品を納入しなければならない。
機械仕掛けのコウモリの背中に吸血鬼が乗っている、
という大型のからくり人形。
コウモリが翼を広げると、その翼長は一四〇〇ミリにもなる。
車に運び込もうとして、
吸血鬼の二本の牙のうち、
一本が折れてしまっていることに気付く。
このままでは納入できない。
牙を作り直すためには、
吸血鬼の頭から作り直さなければならない。
胴体から頭を取り外そうとして、
胴体にも傷が入っていることに気付く。
胴体も作り直さなければならない・・・。
吸血鬼の胴体をコウモリの胴体から取り外そうとしたのだが、
接着が完全であるため、すんなりと外れてくれない。
で、ノミとハンマーで胴体を割ることにした。
いい仕事をし過ぎると、こういうコトが起きる。
とてもじゃないが、今日中には直りそうにもない・・・。
心が急くと仕事が雑になる。
雑な仕事はしたくない。
で、納入を明日に延期していただくことにした。
これで心おきなく修理に取り掛かれる、というものである。
アトリエにH君が入ってきたので、吸血鬼の頭の造形をH君に依頼する。
アルミの薄い板を切り抜き、吸血鬼の牙を作る。
作っているうち、他にも気になる部分がいろいろと眼につきだす。
仕方がないから、それらも手直しすることにした。
深夜二時、やっと納得できる作品が出来上がる。
さて、明日(今日)は倉敷まで行かなくてはならない。
神戸のアトリエから倉敷までの距離は約百七十キロ。
眠くて仕方がない・・・。