■ 整理・その23・HAMPELMANN no.2

aquio2008-04-22

南ドイツ、
ドイツとオーストリアの国境近くにある小さな村、
「OBERAMMERGAU / オーバーアマガウ」で作られた
「HAMPELMANN / ハンペルマン」。
十四世紀、
ヨーロッパにおいてペストが大流行した時代があった。
ペストによって、
全ヨーロッパの人口が三分の一に減少したらしい。
十七世紀にもペストは流行したらしいが、
「オーバーアマガウ」では一人の罹患者も出なかった、という。
そのことを「神の祝福」と捉えた住民たちは、
十年に一度、キリストの受難劇の開催を神に誓った。
一方、一人の男が山を越えて村に入り込んだことでペストが広まり、
「オーバーアマガウ」でも多くの住民が死んだ。
住民はそのことを「神の呪い」と捉え、
十年に一度、キリストの受難劇の開催を神に誓った、という話も聞く・・・。
どちらが本当の話であるかは知らないが、
以後、「オーバーアマガウ」では、
十年に一度、キリストの受難劇、
いわゆる「PASSION SPIELE」が欠かさず開催されるようになる。
私が初めて「オーバーアマガウ」を訪れたのは、今から九年前。
一九九九年の夏のことだった。
この村で独創的な「ハンペルマン」を制作している「MICHAELA MÜLLER」と、
「OBERAMMERGAUER SCHNÜRLKASPERL」のアトリエを訪れるのが目的だった。
「オーバーアマガウ」はまた、木工品、木彫品の村としても有名。
翌二〇〇〇年は「PASSION SPIELE」開催の年にあたるとかで、
村中の多くの男たちは鬚を長く伸ばしていた。
劇に出演する男たちは、前年から鬚を伸ばさなくてはならない、という決まりがあるらしい。
大きな皿の上に豚の頭を乗せたコックの「ハンペルマン」。
今年の二月、ニュールンベルクで開催された「SPIELWAREN MESSE」で買い求めたもの。
これに似合う箱を設え、
息子が経営するレストランの壁に飾ってやろうか、と考えている。