■ 掃除

aquio2008-04-27

ここしばらくの間、
アパートにはただ寝るためにだけ帰るような毎日だった。
洗濯機の中には汚れた衣類が溜まっているし、
台所の流しには汚れた食器がそのままになっている。
テーブルの上には煙草の灰が点々と落ちている。
私も疲れているが、
部屋も相当に疲れ果てているように思える・・・。
時間は深夜の十二時をとっくに過ぎていたが、
大掃除を決行することにした。
まずは汚れた衣類の洗濯から始める。
洗濯機のスイッチを入れた後、風呂場の掃除にとりかかる。
湯船を綺麗に洗った後、
壁のタイルにカビ落としの洗剤を吹き付ける。
排水溝の汚れも相当にひどいものであった。
ついでに洗面台もピカピカに磨き上げる。
あちらの部屋のテーブルをこちらの部屋に移し、
こちらの部屋の書類棚をあちらの部屋に移動させる。
時間が時間であるから、掃除機のスイッチを入れるワケにはいかない。
茶殻がないから、水に浸した新聞紙を細かく千切り、部屋のあちこちにばら撒く。
箒を使い、埃を付着させた新聞紙を静かに掃き寄せる。
あちこちに散らばっていた書籍を本棚に戻し、
不要になったものを大き目のゴミ袋に分別して投げ込む。
洗濯物をベランダに干し終えたのは、午前三時半を少し過ぎた頃だった。
足音を忍ばせて集積場にゴミを捨てに行く。
食器を洗ったついでに、流しもスチール・ウールで磨き上げる。
風呂場のタイルに付着していたカビはすっかり綺麗に落ちていた。
熱いシャワーをかけて壁の洗剤を洗い流し、湯船に湯を張る。
ここまで綺麗になると、「ワッハッハ、ざまぁみやがれ!」、というような気分になるな。
清潔な部屋に住むのは気持ちのいいものである。
風呂から上がると、時計の針は四時半を指していた。
「OLD PARR」を一杯ひっかけ、さっさと寝床に潜り込む。