■ 整理・その30・ベルヒテスガーデン

aquio2008-05-18

自宅の寝室の棚から、
開封の箱が四つほど見つかる。
一番小さな箱の中には、
「Berchtesgaden / ベルヒテスガーデン」で買った
「キリスト降誕」のシーンを模したおもちゃが入っていた。
「ベルヒテスガーデン」は南ドイツにある保養地。
北に二十キロも走れば、オーストリアザルツブルクに到る。
その「ベルヒテスガーデン」の
「Adelsheim / アデレスハイム」博物館で買ったもの。
多分、十年ほど前に買い求めたものだったと記憶している。
箱の中には、東方の三博士と四匹の羊、
一匹の馬と一匹の牛、
台に乗せられた産まれたばかりのイエスが入っているのだが、
その技術のあまりの稚拙さに笑ってしまう・・・。
羊はどう見ても痩せた豚にしか見えない。
どういうワケか、馬の目は左斜め上を睨んでいるし、
牛の両目は右側を向いたまま・・・。
エスの顔にいたっては、
これって「へのへのもへの」じゃないの!?、というほどに酷い。
現在、旧・東ドイツの「ザイフェン」がおもちゃの村として脚光を浴びているが、
その「ザイフェン」のおもちゃ作りのルーツが、
この「ベルヒテスガーデン」にある。
「ベルヒテスガーデン」で作られていたおもちゃが「ザイフェン」に伝わり、
いつの間にか、「ベルヒテスガーデン」のおもちゃ作りが廃れていってしまった、という。
「ベルヒテスガーデン」は人口七千人ほどの小さな町。
博物館には様々なおもちゃやが展示されているのだが、
町の誰に訊いても、その製造者が誰であるかは教えてもらえない・・・。
廃れつつある技術とはいえ、
その技術の流出を防ごうとしているのかもしれない。
昔、「ザイフェン」では「日本人を見たら泥棒と思え」、と思われていた時期があったが、
ひょっとしたら、「ベルヒテスガーデン」でもそう思われているのかもしれない・・・。