■ 整理・その33・TAMPELLA

aquio2008-05-24

今朝から岡山の自宅に戻っている。
今もそこにあるかどうかは知らないが、
三十年ほど前、青山通りと表参道が交差する辺りに、
「HEART ART」という洒落たファブリックを売る店があった。
子どもたちが生まれた時、
「BO BOO」という名前だったと思うが、
日本人のテキスタイル・デザイナーがデザインしたという、
可愛い車の柄の布をその店で買ったことがあった。
布の端には「MARIMEKKO」とプリントされていた。
妻はその布で子どもの部屋のカーテンを仕立て、
子どもたちが幼稚園にあがる時には、
その布を弁当箱を入れる袋に仕立て直した。
妻とそんな昔話をしていうち、
「そういやぁ、あの布はどこにやった?」、という話になる。
昔、我が家は長野県の白馬村で小さな宿を経営していたのだが、
その家の壁の汚れを隠す目的で買った布があったはず。
横幅二メートル弱、長さ三メートルほどの、
白い雌鳥と黒い雄鶏がプリントされた布。
思い立ったら探さずにはいられない。
散々探しまわったあげく、
布は納戸の中のビニール袋の中から出てきた。
思い出の品だからと、
長野から岡山に引っ越す際に、クリーニングに出したことをすっかり忘れていた・・・。
部屋の中で布を広げてみた。
所々に黄ばんだ汚れが見てとれるが、まだまだ使える。
この布も「HEART ART」で買ったものだが、
三十年の歳月を経たとはいえ、そのデザインはまったく色褪せていない。
今日の今日まで、この布も「MARIMEKKO」のものだと思い込んでいたが、
布の端には「TAMPELLA FINLAND」とプリントされていた。
さて、この布を何にどのように使おうか。
築四十年を経た私のアパートに使うには、ちと勿体無いように思える。