■ 悪夢・その2
歳なんだろうな、
ドイツから帰国して三日が経つというのに、
疲れがなかなか抜けてくれない。
昨晩は、お気に入りの香を焚き、
その香りを嗅ぎながら眠りについた。
午前七時に目覚まし時計の針をセットしておいたのだが、
昨日ほど鮮明ではないが、
今朝も奇妙な夢を見続けていた。
枕元で目覚まし時計が鳴っている。
「そろそろ起きなければ」、と思っていたら、
アパートの玄関のチャイムが鳴りだした。
「こんな朝早くからいったい誰なんだろう?」、
と扉を開けると、
職場の職員のKとYが階段の踊り場に立っていた。
「どうした、何かあったのか?」、と訊くと、
「いったい何時まで寝てるんですか!」
「もう十時をとっくに過ぎていますよ!」、と言う。
「えらいこっちゃ」、なのであるね。
今朝は九時半から重要な会議がある。
「お客様は九時半からお待ちになっていらっしゃいますよ」、と言うではないか。
スラックスにシャツを押し込みながら階段を駆け下り、
職員の車で職場に向かう。
約束の時間より一時間ほど遅れて職場に到着。
会議の出席者は懇意にしている方々ばかりであるし、
会議のための資料は用意してあったから、
ま、なんとか格好はついた。
先ほど、その会議が終わったばかり。
しかし、いくら時差ボケがあったからとはいえ、遅刻とは格好の悪い話ではあるなぁ・・・。
今日は午後四時から職場内で細々とした打ち合わせがある。
打ち合わせが終わった後、東京に向かって出発。
帰りは十三日の夜になる予定。