■ サプリメント
肌も露わな雌猫が色っぽい仕種で雄猫を誘う。
右手(前脚)を腰にあてた雌猫が左手を前に伸ばし、
「ニャ〜」と鳴いて雄猫を誘う、というからくり人形。
数年前のアイデア・スケッチがアルバムの中から出てきた。
従来の「招き猫」とはまったく意味の違う「招き猫」。
保管の仕方が悪かったのか、
あちこちが黄ばんでしまっている。
Oちゃんに聞いた話だが、
「男は女のサプリメント」、
とそう主張する女が増えてきたらしい。
ホルモンの分泌を促し、常に女らしく美しくあるために、
セックスは女にとってなくてはならない行為である、という。
カサカサに乾いてしまわないためにも、
ややこしい愛だの恋だのといった感情を抜きにして、
女も男とのセックスを大いに楽しめばよろしい。
女が女らしく美しくあるためには、
男という「サプリメント」の補充が必要である、という考え方であるらしい。
私も「亜鉛」や「マグネシウム」といったミネラルを摂取することがあるが、
男が「サプリメント」の一種であるとは、今日の今日まで知らなかった。
「ビタミンH」という名の新種の「サプリメント」。
昔、「都合のいい女」というフレーズが流行ったことがあったが、
時代が変わり、女が「都合のいい男」を求めるようになった、ということなんだろうか。
女が男に牙をむいてきた、という感じがしないでもないが、
「なんだかなぁ・・・!?」なのであるね。
「男は女のサプリメント」などと主張する女は、きっと、魅力のない女に違いない。
男に愛された経験がないに違いない。
魅力的な雌猫の周りには雄猫が群がるものである。
所詮この世は男と女。
女の視線だけでコトが進むはずなどないではないか。
「男は女のサプリメント」、などと阿呆なことをほざいているうち、
「男出入りの激しい女」、などという噂を立てられたらどうするんだろうな・・・。
「ニャ〜」と鳴いたところで、
終には、誰にも振り向かれない婆さん猫になる日は近い。