■ 白鷺

aquio2008-06-15

昔々、柴刈りに出かけたお爺さんは、
山の中で傷を負った大きな白い鳥に出会いました。
白い鳥は猟師に撃たれて苦しんでいたのでした。
お爺さんはその白い鳥の傷を手当てし、
山の中に放してやりました。
お爺さんは息子との二人暮らしでした。
息子は四十を超えたというのに、
未だに嫁の来手がありませんでした。
ある日、お爺さんの家に美しい娘が訪れてきました。
肌の色が抜けるように白い娘でした。
お爺さんの住む村では、
例の「鶴の恩返し」の事件があったばかりでした。
「しめた!」、とばかり、
お爺さんはその娘を息子の嫁にしようと企みました。
娘はお爺さんや息子と一緒に暮らすようになりましたが、
娘はのらりくらりと返事を先送りするばかり・・・。
一年経っても、なかなか色好い返事をしてくれません。
そのうえ、その娘の食べることといったら。
お爺さんの家のエンゲル係数は、
二十パーセントから五十パーセントにまで一気に跳ね上がったのでした。
業を煮やしたお爺さんが、「お前は鶴ではないのか?」、と問い質すと、
「何を言うてはりますのん!」
「私はお爺さんに助けられたサギですがな!」、
と言い終るやいなや、娘は「白鷺」に姿を変えて飛び去っていきました・・・。
今、からくり人形を使った大きな舞台の設計に取り掛かっている。
からくりの舞台のモチーフは「白鷺」。
デザインの可否はコンペによって決まるのだが、
このコンペに参加する企業は他に七社もあるらしい・・・。
どこで誰が見ているか知れたものではないから、
日記にも迂闊なコトは書けない。
今日は、その「白鷺」の頭の部分のデザインだけをアップするに止めておく。