■ 蛸

aquio2008-06-16

昨日から母がアパートに来ている。
私のために食事の用意をしてくれたりするのだが、
食事を一緒にとらないと、めちゃくちゃに機嫌が悪い。
午後七時、そのために仕事を中断してアパートに帰る。
今日の献立は蛸の天ぷらと酢の物。
蛸は岡山県「下津井/しもつい」漁港で獲れた天然物。
id:bishouさんから頂戴した真蛸。
神戸の人間は「蛸はやっぱり明石やで」、と主張し、
岡山の人間は「蛸は下津井物に限る」、と一歩も譲らない。
同じ瀬戸内海とはいえ、
明石〜下津井間は約二百キロほど離れているから、
明石の蛸が下津井まで遠征するとは考えにくい。
しかし、下津井の蛸が明石に遠征することはあるかもしれない。
この場合、蛸は下津井の蛸であるのか、それとも明石の蛸であるのか、
などという冗談はさておき、
さすがは「下津井」の蛸であるな。
シコシコと身が引き締まっていて、実に美味い。
噛んでも噛んでも噛み切れない。
私は、この蛸の天ぷらをウスター・ソースに浸して食べるのが大好きなのである。
母はパラパラと塩を振りかけて食べている。
「蛸に塩」、などという食べ方は「邪道」のように思えるが、
母に言わせれば、「蛸にソース」などという食べ方は「下品」なのだそうである。
「お母さんはキスのフライには何つけて食べる?」
「そりゃぁ、タルタル・ソースかウスター・ソースやわね」
「ほんなら、蛸の天ぷらにウスター・ソースかけて何が悪い!」
「フライと天ぷらは衣が違う!」
「天ぷら粉もパン粉も、どっちも小麦やんか!」
「うるさい!」
「タルタル・ソースなんて、猫のゲロゲロに似てるで!」
「食事中なんやから、汚い話は止めなさい!」
「ほ〜い・・・」
午後八時半、食事を終えて職場に戻る。
親孝行は疲れる、のであるね。
bishouさん、美味しい蛸、有り難うございました。