■ 整理・その36・BAUHAUS HAMPELMANN

aquio2008-06-24

今から十年ほど前、
スイス「Naef/ネフ」社の創業社長でいらっしゃった
「クルト・ネフ」さんから頂戴した
「BAUHAUS」の「ハンペルマン」。
この「ハンペルマン」が最初に作られたのは
今から八十年ほど前のこと。
制作したのは、「BAUHAUS」に学ぶ学生であった
「Margaretha Reichardt/マルガレータ・リヒャルト」。
当時の「BAUHAUS」はデッサウにあった。
どうやら、当時、「BAUHAUS」で教鞭をとっていた
「Josef Albers/ヨーゼフ・アルバース」が
「マルガレータ」に与えた課題の答えが、この「ハンペルマン」であったらしい。
しかし、この「ハンペルマン」の作りを見る限りでは、
その顔は「Oskar Schlemmer/オスカー・シュレンマー」がデザインした
「BAUHAUS」のポスターの顔に実によく似ている。
そして、そのカラーリングにいたっては、
あの「Wassily Kandinsky/ワシリー・カンディンスキー」の分割構成によく似ている。
また、全体の雰囲気としては、
丸と三角と四角を使ったデザインであるあたりは、
あの「Johannes Itten/ヨハネス・イッテン」の表現によく似ている・・・。
当時の「BAUHAUS」を牽引していた巨匠たちのいいところを集めたような作品、と言えるだろうか。
いつもは自宅の書架に置いてあるのだが、
小難しい理屈やデザイン史を語らずとも、
この「ハンペルマン」は子どもたちにとても人気がある。
紐を引っ張ってやると、
「ハンペルマン」は両手と両脚を「M」の字に持ち上げ、
紐を緩めてやると、「ハンペルマン」は直立不動の姿勢をとる。
多分、本体の作りは八十年前の作り方をそっくりそのまま踏襲しているのだろうな。
カチッとした箱の作りと、どことなく手作り感を漂わせる「ハンペルマン」の、
その双方の対比が、また、美しい。