■ MERRY WIDOW

aquio2008-06-28

今、兵庫県立芸術文化センターでは、
オペレッタ「MERRY WIDOW」が上演されている。
その招待券を指揮者の佐渡さんから頂戴していたので、
六月二十八日は休暇、と早くから決めていた。
朝早く起き、部屋や風呂場の掃除を手早く済ませ、
洗っておいたシャツにアイロンをかける。
アイロンをかけ終わったばかりのシャツを羽織り、
西宮に向けて車を走らせる。
今日の「ハンナ」役は「塩田美奈子」。
桂ざこば」演じる執事の「ニエグシュ」が大阪弁であったり、
舞台の最中に主演者たちがアサヒ・ビールを飲んだり、
(西宮にはアサヒ・ビールの工場がある)
アサヒ・ビールのコマーシャル・ソングが流れたりで、
舞台は関西パワー炸裂。
爆笑に次ぐ爆笑のオペレッタではあったが、
「ハンナ」が故郷を偲んで歌う「ヴィリアの歌」には泣けてしまった・・・。
「ヴィリア おぉ ヴィリア この恋 叶えたまえ」、と「ハンナ」が歌う。
森の中に住む妖精のヴィリアに若い狩人が恋をする。
狩人はヴィリアに恋人になって欲しいと懇願するが、
ヴィリアは狩人にキスを与えた後、姿を消してしまう・・・。
もともとの歌詞はそのような内容であったと記憶している。
名曲喫茶という、その呼称そのものがすでに古さを感じさせるが、
その昔、大阪の梅田に「スパニョーラ」という名の名曲喫茶があった。
いろいろな思い出が詰まっている喫茶店
大きな問題を抱えて悩んでいた時、
その「スパニョーラ」で流れていたのが、この「ヴィリアの歌」だった。
歌詞はまるで理解できなかったが、その旋律に泣けた。
「塩田美奈子」が歌いだしたとたん、
「スパニョーラ」の薄暗い店内でしょんぼりと項垂れている自分の姿が眼に浮かぶ・・・。
私の横には、ピアニストの「谷川賢作」さん。
その横には佐渡さんの奥様。
眼が潤んでいたことに気づかれなかっただろうか・・・?