■ ライター
一週間ほど前のこと、
アトリエで煙草を吸っていたら、
「Nさん(私のこと)、いいライター持ってますね」、
と職員のYが言う。
「使い捨てライターのどこがええねん?」、と返すと、
「Nさんも隅に置けませんね」、と言う。
ライターには「aian」というロゴが入っていた。
問い質してみると、
「aian」とは、
中国道西宮北インターの近くにあるラブ・ホテルであるらしい。
言われてみれば、
確かにそのような名前のホテルがあったような気がする。
「誰といったんですかぁ?」、
などと、Yは興味津々といった顔つきで訊きやがる。
私の日常の言動が言動であるから、
否定すればするほどFは面白がるに違いない。
面倒くさいから、「女だよ!」、と答えると、
「どんな女性と行ったんですか?」、としつこく訊いてくる。
これってセクハラじゃないんだろうか!?
面倒くさいから、
「色が白くて、髪がサラサラで、着痩せするタイプで、脱ぐとすごくって」、と答えておいた。
今頃は憶測が憶測を呼んでいるのではないだろうか・・・。
確か、馴染みのラーメン屋の親父がくれたライターではなかったか、と思う。
一昨夜、博多のIさんらと「勝一」という店で鶏肉を食べた折、
店の女の子にマッチをくれるよう頼んだところ、
金色のボディに「Land Land」と印刷されたライターを手渡された。
その梨地仕上げの金色のボディが気に入り、
そのままポケットに入れて失敬してきたのだが、
先程インターネットで検索してみると、
「Land Land」とは、奈良県大和高田市にあるラブホテルの名前であった。
素性の知れないロゴ入りのライターはうっかり持ち歩けない。