■ MACLAREN / マクラーレン

某百貨店に勤務されていらっしゃるＥさんにお会いする。
いろいろなお話を伺っているうち、
話は「MACLAREN / マクラーレン」の話題に移る。
レーシング・チームの「マクラーレン」ではなく、
ベビーカーのメーカーである「マクラーレン」の話。
Ｅさんのお話によると、
巷ではその「マクラーレン」が大流行しているらしい。
「マクラーレン」のベビーカーは、
高価なものでは、ほぼ七万円という値がついているらしいが、
盗難の被害件数も半端じゃないほどに多い、という。
Ｅさんがお勤めの百貨店でも、
トイレの入り口に置いたはずの「マクラーレン」が神隠しにあったりするらしい。
客との無用なトラブルを避けるため、
店内にベビーカー置き場を設置することに決めた、という。
小学校の運動場などに設置してある鉄棒をイメージすれば分かりやすいが、
その鉄棒に鍵付きのチェーンを用意することにした、という。
で、話はそこから面白くなるのだが、
いくら「マクラーレン」といえど、
やはり磨耗する部品の交換は必要であるらしく、
「壊れたから修理してくれ」、と言ってくる客も多いらしい。
販売側では販売先のリストが用意されているから、
持ち込まれた「マクラーレン」が盗難品であるかどうか、
瞬時に判断できるようになっているらしい。
「このマクラーレンはどこでお求めになりましたか？」、と質問すると、
「道に捨ててあってたのを拾った」、などというふざけた答えが返ってきたりするらしい。
大笑いしてしまった。
欲しいモノは盗る・・・。
世界経済のほとんどが貨幣経済で成り立っている現在において、
まだ狩猟採集の暮らしをしている方々がいらっしゃる・・・。
「マクラーレン」にはいろいろなタイプがあるが、
「マクラーレン」を持つことはステータスのシンボルであるらしく、
「マクラーレン」を持つ母親たちがすれ違う場合、
お互いがお互いの「マクラーレン」の品定めをしあう、らしい。
ベビーカーごときで見栄を張り合ってどうする、と思うのだが・・・。