■ インターンシップ・その3

aquio2008-08-22

四日前から
金沢美大の学生であるN君が私のアパートに寝泊りしている。
彼のインターンシップの期間は一週間。
「期間中にからくり人形一体の制作」の指示を出していたが、
今日になって、
どうやら具体的な形が見えてきたようである。
作品のタイトルは「紳士のためのフィットネス・マシーン」。
彼の住む金沢においても、
近年はフィットネス・クラブが大流行しているらしい。
壁に向かって電動ローラーの上で汗をかく。
彼にはそれが信じられない光景に映るらしい。
「走るなら金沢にはそれに適した道がいくらでもある」
「美しい景色を見ながら走る方が身体にも心にもいいだろうに」、という意見である。
入会金の高額なクラブで身体を動かすということは、
入会している人々にとっては、ま、それは一種のステータスなんだろうが、
彼にとっては、「だから!?」、ということであるらしい。
若者らしい反応ではあるね。
三日前、彼にはゼンマイ駆動のブリキのおもちゃをプレゼントしておいた。
そのおもちゃの駆動部分を利用して、
「機械に頼らなければ身体を鍛えることもできない人間」、
を皮肉るからくりを作るつもりでいるらしい。
着想はなかなかに面白いし、さすがは美大生であるな。
そのデザイン力といい、創作に対する姿勢といい、
それらの基本はとっくに出来上がっている。
ちなみに、「身体が鈍ってきたな」と感じた時、
私は布団の中で腹筋と背筋を鍛えることにしている。
この歳になっても、腹筋運動の二十回や三十回は軽くしてのけられるが、
翌朝は筋肉が痛くてまともに起き上がれやしない。
ま、そのあたりが「歳」、ということなんだろうけどさ・・・。
さて、明日からは岡山の職場に出勤しなければならない。
明日は月に一度の「からくり塾」の開催日。
N君も連れていくことにする。