■ D

aquio2008-08-28

長男のDの夢で眼が覚める。
Dの子どもを膝の上に乗せている夢・・・。
Dは東京でフリーのイラストレーターとして生活しているが、
未だに女性との浮いた噂を一度も聞かない。
「あいつも今年で三十四歳になったはず」
「そろそろ俺も孫を膝の上に乗せてみたいのだが・・・」
「いったいあいつは何をしてるんだろう?」、
と、Dの名前を入れて「yahoo」で検索してみたところ、
十五万件の項目がヒットした。
マニアックなイラストを描く仕事だが、
Dのホームページを見る限りでは、
その表現が以前とはかなり違ってきている。
何か心境の変化でもあったに違いない。
次から次へと検索していくうち、「mixi」のブログに突き当たる。
で、そのブログの中の「マイミクシィからの紹介文」という部分を読んでみると、
Yさんの「家人が世話になったり世話をしたりまるで夫婦」というコメントが見つかった。
mixi」に掲載されている絵を見る限りでは、
Yさんは静謐な感じの絵を描く女流画家でいらっしゃるのだが、
そのYさんのお姉さんらしき人が、どうやら、Dと交際しているということであるらしい。
「オッ、やっとDにも恋人ができたか!」
「なんと奇特な女性であることよ」
「ありがたやありがたや」、と父親としては踊りだしたいほどの気分であるな。
また、別のサイトには、
「DのSさんを見る眼つきは特別に優しい」、などと書かれていたから、
そのSさんなる女性がDの恋人なんだろうな。
晴天の霹靂とはこのことか。
「おい、驚くなよ」、と妻に電話を入れる。
父親の私が言うのも何だが、Dは天与の才を持っているね。
ただ、その才を十分に生かしきれる仕事に就いていないことが悔やまれる・・・。
しかし、その表現には何かしら優しさのようなものが表れるようになってきた。
Dにも早く子どもが生まれればいいのに、と思う。
「君のお父さんの仕事は?」、と訊かれた時、
父親は子どもが胸を張って答えられるようになっていなければならないが、
あの「シャル・ウイ・ダンス」で名を馳せた「周防正行」も、
そのスタートは「変態家族兄貴の嫁さん」というピンク映画の監督からであった。
人生は紆余曲折。
さてさて、Dはこれからどうするつもりなんだろうか・・・。