■ 誕生日

今日は三男のＳの誕生日。
携帯から電話を入れたが、
何度かけても一向に繋がらない・・・。
ひょっとしたら、
また海外に出かけているのかもしれない。
画像は彼が六歳の時に作ったオブジェ。
私は現代的なからくり人形の制作を生業にしているが、
その制作の過程で、様々な形をした端材が山のように出る。
Ｓがまだ保育園に通っていた頃、
Ｓは私のアトリエに入ってきては、
端材を接着剤を貼り合せていろいろなモノを作っていた。
そのほとんどはどこかに失くしてしまったが、
彼の作るモノの形状は、その多くが「左右対称」であった。
彼の頭の中に「左右対称」などという概念はなかったはずだが、
子どもながらに、「左右対称」に作り上げることの心地よさ、
「バランス」を取ることの心地よさがあったのではないだろうか。
「お前は大きくなったら何になるの？」、と訊くと、
「お父さんといっしょの仕事」、と必ず答えてくれる子どもだったが、
どうも、彼は、私が遊んで暮らしている、と思い込んでいたような節がある。
そりゃぁそうだろうなぁ・・・。
木を削っておもちゃを作ったり、からくり人形を作ったりしていたのであるから、
彼の頭の中では、「父＝おもちゃ屋さん」であったに違いない。
生涯おもちゃに囲まれて遊んで暮らせる、と思っていたのだろう。
そのＳも今日で二十六歳になるはず。
さてさて、今日はどこで何をしていることやら。
子どもが幾つになっても、親としては気がかりなことであるな・・・。