■ Ｇｒａｐｐａ & Cantucci

イタリアからスイフト夫妻がやって来る。
彼らとの付き合いは何年になるだろうか・・・。
もとも彼らはイギリス人なのだが、
つい最近、
イタリアのトスカーナ地方に引っ越してしまった。
山の斜面に建てられた住まいの写真を見ると、
彼らの家のすぐ上に、
屋根のぬけた一軒のあばら家が建っている。
「この家は何か？」、と訊くと、
「ミケランジェロの生家」、という答えが返ってきた。
夫妻の住む家は築九百年の石造りの家。
その家の壁には、
ミケランジェロの落書きなどが残されているらしい。
どうやら、その落書きは、
あのシスティーナ礼拝堂の壁画のデッサンであるらしい。
貴族的な生活を送り、
万能の天才ともてはやされたダ・ヴィンチと違い、
どうやら、
ミケランジェロは隣家の壁に落書きをしてしまうような庶民的な人物であったらしい。
奥さんのリンさんは十二月の中旬までの滞在だが、
亭主のデーヴィッドは四ヶ月ほどの滞在になる予定。
彼らが暮らすための部屋も用意したし、
洗濯機や電子レンジも用意した。
親日家でもある彼らは畳の上での生活を好むし、
六甲山の冬は厳しいから、
近いうちに炬燵を用意してやろう、と思う。
樽の中で熟成させた「grappa / グラッパ」と
「cantucci / カントッチ」をお土産に頂戴する。
樽で熟成させたグラッパを飲むのは初めての経験。
馥郁たる香り・・・。
カントッチをグラッパに浸して食べる。