■ 風邪と煙草と風邪薬
頭がフラフラしている。
洟も止まらない。
午後一時、職員たちに「今日は早退けする」と告げ、
アパートに帰ることにした。
小学校、中学校、高校を皆勤で通した私にとって、
早退けなどは病気への屈服以外のなにものでもないのだが、
今月中に仕上げなければならない仕事がたくさん控えている。
で、大事をとることにした。
帰り際、近くの薬店で風邪薬を購入する。
冷凍庫に放り込んであったご飯を解凍し、
手早く茶粥を作って食べる。
腹が膨れたところで、風邪薬を二錠服用する。
薬などほとんど飲んだことのない私だが、
今日ばかりは自分の身体が自分のものでないような感じがする・・・。
熱を計ってみたら、三十七度を少し超えていた。
サッサと布団に潜りこんで眠ることにした。
午前五時、咽の渇きで眼が覚める。
汗をびっしょりとかいていた。
冷蔵庫からミネラル・ウオーターを取り出して飲んだが、
いくら飲んでも咽の渇きが癒されない。
すっかり眼が覚めてしまった。
煙草に火を点けて吸ってみた。
昨日ほどには不味くない。
昔、あれは「short hope」のコマーシャルだったと思うが、
「今日も元気だ煙草が美味い」、っていうのがあった。
確かに、元気でなければ煙草は不味く感じられるものであるな。
腹も空いている。
シリアルにミルクをかけ、コーヒーを沸かして飲む。
腹が膨れたところで、簡単なストレッチ体操を試みたが、
節々がギシギシと悲鳴を上げている。
どういうワケか、左半身の方に痛みを強く感じる。
熱は平熱に戻っていた。
明日(今日)は平常どおりに出勤することにしよう。