■ NISHIDA AIR
リンさんとデーヴィッドが帰国する。
「奈良に行きましょう」とか、
「美味しい蕎麦を食べに行きましょう」とか、
彼らといろいろと約束していたのだが、
寝込んでしまったせいで、
ほとんどの約束を反故にするような結果になってしまった。
十二月七日は私の誕生日。
お別れする際、
「お誕生日のお祝いです」、と一つの作品を頂戴する。
デーヴィッドはスコットランドを代表するアーティストの一人だが、
そのデーヴィッドがわざわざ私のために作ってくれたのだ。
先日、世界の航空会社について彼らと話をすることがあった。
彼らのお気に入りは「JAL」、または「ANA」であるらしい。
何より、その木目細やかなサービスが気に入っている、という。
「アリタリアのサービスはひどいなぁ」とか、
「NORTH WESTは、あんた、ありゃぁNORTH WORST の間違いとちゃいまっか」、
などと関係者が聞いたら激怒しそうなことをほざいていたのだが、
どうやら、その会話の関連でこのような作品の制作を思いついたのであるらしい。
「NISHIDA AIR」と描かれた飛行機の上に、リンさんとデーヴィッドが乗っている。
両翼にそれぞれ一つ、尾翼にも穴が一つ開いていて、
糸で天井から吊り下げられるようになっている。
昨日はリンさんの誕生日であったが、
何も作って差し上げることができなかった・・・。
来年の六月、エディンバラの「ロイヤル・ボタニカル・ガーデン」において、
「Wych Elm」というプロジェクトがスタートする。
そのオープニングにデーヴィッドの作品が展示されるらしいが、
その「ロイヤル・ボタニカル・ガーデン」の館長から一通の手紙が届いていた。
どうやら、デーヴィッドが私のことを彼に紹介してくれていたらしい。
「Wych Elm Project に参加しませんか」
「来年のオープニングにいらっしゃいませんか」、というお誘いの手紙。
来年の六月、エディンバラで会うことをデーヴィッドと約束する。