■ 審判

aquio2004-12-15

二人の男が同じ日の同じ時刻に死ぬ。
一人は劣悪な環境に生まれ育ち、
止むに止まれぬ事情で殺人を犯した男。
一人は裕福な家庭で育ち、
何の苦労もなく一生を平凡に生きてきた男。
二人は同時に審判者の前に連れて行かれる。
審判者は殺人を犯した男に天国の鍵を手渡し、
平凡に生きた男を地獄に突き落とす・・・。
「俺がいったい何をしたと言うのか?」
「俺は何もした憶えが無い!」
「殺人を犯した男が天国で、なぜ俺が地獄なんだ?」と、
平凡に生きた男は審判者の前でわめき散らす。
審判者は男に向かって告げる。
「殺人は重大な罪である」
「しかし、彼は懸命に生きてきた」
「お前の言うとおり、お前は何もしなかった」
「悪いことはしなかったが、良いこともしなかった」
「お前は自分のためにも人のためにも生きてこなかった」
「だから、お前には地獄が相応しい」・・・。
ぼんやりと、
ブリキでできたおもちゃの家を見ていて、
そんな内容のテレビ映画があったことを、不意に思い出す。
「OUTER LIMITS」という名の、
私が中学生であった時代の番組の中の一つ。