■ 扇之助さん

aquio2004-09-15

長野県の飯田市
座光寺にある「竹田扇之助」さんの道場
「竹田練場」を訪れる。
竹田練場は扇之助さんの自宅に隣接されている。
桧の床、ベンガラ色の塗り壁、銀箔を貼りつめた天井。
苔むした庭、樹齢二百年を超える枝垂れ桜・・・。
なんとも贅沢な空間が設えられている。
元禄時代から続いてきた竹田人形座も、
後継者がいないことで、
扇之助さんの代で終焉を迎えようとしていた。
が、どうやらその哲学と技術を受け継ぐ後継者が現れたらしい。
扇之助さんがぞっこん惚れ込んだその若者はポーランド人。
現代の日本の若者が理解しない「間」を、
そのポーランドの若者は瞬く間に習得してしまったらしい。
扇之助さんはその若者に
「竹田三之助」という芸名を与えた・・・。
「三之助」は「竹田人形座」の家督を継ぐ名前でもある。
「家 家にあらず 続くをもて家とす」
「人 人にあらず 知るをもて人とす」
そう言ったのは世阿弥だったか。
竹田の名を継ぐのは外国人でも構わない。
扇之助さんの決断はさすがのものだと思う。